thumbnail image

東京創元社 特設サイト

  • 創元文芸文庫
  • 第2回創元ホラー長編賞
  • ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]』
  • 学園ミステリ大賞
  • 米澤穂信〈小市民〉シリーズ
  • 貫井徳郎『不等辺五角形』
  • 上條一輝『ポルタ―ガイストの囚人』
  • 凪良ゆう『流浪の月』
  • 今村昌弘〈剣崎比留子〉シリーズ
  • 山口未桜『白魔の檻』特設サイト
  • 加納朋子〈駒子〉シリーズ
  • 全世界で5000万部突破!

    20世紀最大の問題作完全版で刊行

    上巻 購入はこちら
    下巻 購入はこちら

    2025年12月25日発売

    ISBN:上 978-4-488-01693-7 / 下 978-4-488-01694-4

    定価:上 3,300円 / 下 3,520円(税込)

    内容紹介

    物語は老修道士アドソが、見習修道士時代のある七日間の出来事を回顧しながら綴った手記のフランス語訳を、「私」が手に入れたことから始まる。そこに記された、中世北イタリアの修道院で起きた修道士連続怪死事件が、聖務日課の時系列に従って、語られていく。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の文書館にあるらしい。本書は、記号学者、哲学者、文芸評論家、中世文化研究者であった知の巨人ウンベルト・エーコが、その知をあますところなく注ぎ込み、全世界の読書人を驚嘆させた20世紀最大の問題小説の[完全版]である。作者自身による構想時のメモ、デッサン、そして旧版刊行後に発表された覚書なども収録。

    『薔薇の名前』とは

    『薔薇の名前』(原題:Il nome della rosa/1980)はウンベルト・エーコUmberto Ecoの小説第一作です。刊行されるやいなや、イタリア読書界の話題をさらい、あっという間にベストセラーとなり、世界各国で訳出されました。1986年にはジャン=ジャック・アノー監督、ショーン・コネリー主演(時代考証にジャック・ル・ゴフという著名な歴史学者も参加)で映画化され、1987年(まだ邦訳版が刊行される前でした!)に日本でも公開され、話題を呼びました。

    中世、異端、暗号、写本、アリストテレース、博物誌、記号学、「ヨハネの黙示録」……あらゆる読書の楽しみを内包したこの七日間の物語は、全世界で5000万部を超える異例のベストセラーとなっています。

    本作はイタリア本国でストレーガ賞、フランスでメディシス賞。邦訳版(1990年)は、第1回BABEL国際翻訳大賞、第27回日本翻訳文化賞、第26回日本翻訳出版文化賞を受賞。そして、ミステリとしての輝かしい評価として、『このミステリーがすごい!91』海外編第1位、「週刊文春」ミステリーベスト10/20世紀海外部門第2位、『このミステリーがすごい!』30周年企画「キング・オブ・キングス海外編第1位、『もっとすごい!!このミステリーがすごい!1988-2008年版ベスト・オブ・ベスト海外編第1位と様々な栄誉を受けています。

    *第1位『このミステリーがすごい!』30周年企画「キング・オブ・キングス」海外編

    *第1位『もっとすごい!!このミステリーがすごい!』1988-2008年版ベスト・オブ・ベスト海外編

    *第1位『このミステリーがすごい!'91』海外編

    *第2位「週刊文春」ミステリーベスト10/20世紀海外部門

    *伊・ストレーガ賞

    *仏・メディシス賞

    *第27回 日本翻訳文化賞

    *第26回 日本翻訳出版文化賞

    全世界で5000万部突破!

  • 初回配本限定の特別仕様について

    『薔薇の名前[完全版]』は高級感のある箔押しカバーを採用。その初回配本分は瀟洒なホログラム箔と黒箔の二種類の箔を使用した特別仕様でお届けいたします。正面タイトルと背の部分には、見る角度によって色味が変わり陰影を感じさせるホログラム箔を使用。さらに正面表紙に描かれる文書館の図版と原著タイトルを黒箔であしらい、より重厚感を演出しています。上巻を赤、下巻を青とし、カバーの中心に物語の核となる「文書館」(エーコ本人が描いたイラストを使用)を据え、箔押しで作品タイトルをあしらった、重厚感あふれる装丁となりました。デザインは、E・T・A・ホフマンの『牡猫ムルの人生観』やエリック・マコーマックの『雲』、ジェフリー・フォード『言葉人形』『最後の三角形』他、数多くの小社刊行物の装丁を手がけられている柳川貴代さんです。この特別仕様は初回配本分限定となります。この機会にお早めにお買い求めください。

  • 薔薇の名前[完全版]チラシ

    薔薇の名前[完全版]の内容を紹介するダウンロード用チラシです。

    (pdfファイル 2.2MB)

    ※チラシはA4サイズ2枚分を両面印刷したものを、2つ折りいただき、お楽しみ下さい。

    チラシダウンロード(pdf)
  • これまでの版と[完全版]の相違点

    ◆エーコ自身が下描きした、文書館の図面、登場人物のスケッチ等を収録

    映画監督がコンテ絵を描くように、エーコ自身も登場人物のイメージスケッチ、中世の生活関連のスケッチ、文書館の図面などを描いていました。著者の思考回路をたどれる、貴重な図版です。

    ◆別巻として刊行された「覚書」を収録

    『薔薇の名前』刊行直後『「バラの名前」覚書』として而立書房から刊行されていたものを、故河島英昭先生の準備訳稿をご子息で古典語がご専門の河島思朗先生が見直し完成させたものを収録。現行のイタリア語版『薔薇の名前』は巻末にこの「覚書」が収録されていますので、これで日本語版も同じ形になります。

    (河島英昭先生は、新版との比較、翻訳見直しの途中で病に倒れられ、2018年に逝去されたため、その後、河島思朗先生に引き継いでいただきました)

    ◆刊行後、本文に折々に加えられた訂正を確認修正

    国内版の初版刊行までに長い期間がかかったため、1990年の邦訳版刊行時に、すでに訂正が間に合っていたものもありましたが、さらにその後も加えられてきた訂正、削除等を反映した最新の内容になっております。

    ◆古典語がご専門の河島思朗先生による、特にラテン語関連部分の見直し、並びに本文の訳稿訂正

    原著について

    今回の[完全版]の底本は、Il nome della rosa(La nave di Teseo刊の2020年版)となります。2010年に訂正箇所を赤い文字で示したPDFが送られてきました。それによって確認作業を進めましたが、その後に、2012年版として、さらに訂正の加わったものに「覚書」が加えられた版が刊行されました。2015年には版元がLa nave di Teseoに移り、2020年版に至りました。

    (現在の版元La nave di Teseoはエーコが親しかった編集者とともに創設した出版社です)

  • 書誌情報

    書名:薔薇の名前[完全版](ばらのなまえ かんぜんばん)上下

    著者:ウンベルト・エーコ

    訳者:河島英昭、河島思朗

    叢書:海外文学セレクション

    判型:単行本(四六判上製)

    ページ数:上巻416ページ、下巻528ページ

    価格:上巻3000円、下巻3200円(ともに税別)

    ISBN:上巻 978-4-488-01693-7/下巻 978-4-488-01694-4

    刊行日:2025年12月25日頃

  • 著者紹介

    ウンベルト・エーコ Umberto Eco

    1932年、北イタリア、アレッサンドリア生まれ。記号学者、文芸評論家、哲学者、文学者、作家。トリーノ大学で中世美学、トマス・アクィナスを研究。卒業後、イタリア放送協会(RAI)の文化番組や出版社ボンピアーニの評論部門に関わる。ミラーノ大学、フィレンツェ大学を経て、ボローニャ大学の記号論の教授に就任。同大学名誉教授。著書に『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』、『プラハの墓地』、『記号論』、『開かれた作品』他多数。2016年2月没。

    訳者紹介

    河島英昭(かわしま・ひであき)

    1933年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業、同大学名誉教授。2018 年没。『ウンガレッティ全詩集』でピーコ・デッラ・ミランドラ賞、本書『薔薇の名前』で日本翻訳文化賞、BABEL 国際翻訳大賞、日本翻訳出版文化賞、『イタリア・ユダヤ人の風景』で読売文学賞受賞。他に、カルヴィーノ、パヴェーゼ 、マキアヴェッリ等の訳書、『イタリアをめぐる旅想』等の著書多数。

    河島思朗(かわしま・しろう)

    1977年生まれ。博士(文学、首都大学東京)。京都大学大学院教授。著書に『基本から学ぶラテン語』『古代ローマ ごくふつうの50人の歴史』等がある。

    東京創元社

©東京創元社 2025 

    クッキーの使用
    Cookiesを使用して、スムーズなブラウジングエクスペリエンスを保証します。続行すると、Cookiesの使用を受け入れるものと見なされます
    詳しく見る