足の甲を切る自傷行為と「もうだめ。死にたい」というツイートを繰り返す浪人生のくるみ。
ある日、突然フォロワーのひとりからDMが届き、ネット上の自助グループ〈銀色の国〉に導かれる。
一方、自殺対策NPO法人の代表として日々奔走する晃佑のもとには、友人が自殺したという悲報が届く。
元相談者でもあったその友人が今になって死を選んだ原因を調べるうちに晃佑はある恐ろしい計画の一端に辿り着く......‼︎
「ようこそ〈銀色の国〉へ。あなたのつらい気持ちを聞かせてください」
横溝正史ミステリ大賞受賞作家が放つ、現代の闇「自殺」に迫る鮮烈なミステリ!!
著者・逸木裕先生からのメッセージ:
自殺願望や生きづらさという現実に存在する問題を掘り下げることと、ページをめくる手が止まらないエンターテインメント小説とをどう融合させるかを悩みながら執筆したのが『銀色の国』です。優しさと悪意に溢れる蜃気楼の中を、皆様も彷徨ってください。
- 書店員さんたちの絶賛の声!!
「夢から覚めたくない」という願い乞うほどに、そこで救われるのは罪なのか。一気読み必至の、ノンストップサスペンス。
(丸善丸広百貨店東松山店 本郷綾子さん)
この物語は、本当の意味での救済とは何かを考えさせてくれる、今、閉塞感を抱える全ての人達に読んでもらいたい、未来への可能性が生まれる物語。
(文教堂商品本部BOOKグループ 青柳将人さん)
確かなディテールとリアリティに裏打ちされたストーリーの、息もつけない展開にあっという間に読み終えてしまいました。現代日本の抱える問題とその「可能性」を照射する、優れた社会派エンタテインメントだ。
(三洋堂ホールディングス 沖田義之さん)
これは、作り物の社会を描いた作り物の世界だ、そう言い聞かせる。でも、作り物?本当か?これは物語なのか?読み終わって時間が経っても心のどこかで銀色の国が呼んでいる気がする。
(精文館書店中島新町店 久田かおりさん)
二つの団体が交差して行く時、浮かび上がる事実に戦慄を覚えながら、リアルとVRの世界に暮らす現代の闇に引き込まれていく。単純に何方が正義か等と語れない気がした。
(大垣書店豊中緑丘店 井上哲也さん)
フィクションなのに、妙に現実味がでてきて、心が支配されていく感覚。これは、はまります。そして、物語と同じように不安や恐れを感じた分、「何か」「どこか」、実際の自分自身も救われます。
(喜久屋書店千葉ニュータウン店 堀一星さん)
想像でしか思い描けない世界でよかった。もしも、死にたいほどの感情を抱え込んでしまった時にこの世界からやさしい言葉をかけられたら、どうなってしまうのか自信はない。
(文教堂書店北野店 若木ひとえさん)
きっと誰しもがいざ絶望と対峙ししたときに、まやかしでも、そこに希望の光があれば疑いもせず救いを求めてしまうだろうと思います。救いたい者、救われたい者、各々の目線で描かれる感情の在り方においても、とても考えさせられました。
(BOOKPORT鶴見店 渡辺美由希さん)
シャープな筆さばきとクールな眼差しで現代社会の病理をありのままに映し出した途方もないスケールと圧倒的なパワーのある物語・・・出合ったが最後、逃れることは不可能だ!
(ブックジャーナリスト 内田剛さん)
判型:四六判上製
ページ数:384ページ
初版:2020年5月29日ISBN:978-4-488-02809-1
Cコード:C0093装画:雪下まゆ
装幀:岡本歌織(next door design)
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